アメリカ旅行・GP観戦(鈴鹿)と、春休みの忙しい時期に10日間も宿を空けてしまった。旅籠屋日記も3週間ぶりだ。記憶が色褪せないうちに4年ぶりのアメリカ旅行のレポートをまとめる予定だが、今回はちょっと怪しげなドラッグについての話しを先行してご紹介したい。


もう半年以上も前になるが、NHKで最近アメリカで話題になっている向精神薬(?)についてのドキュメントが放映されたことがある。人間の精神状態を左右する脳内の化学反応のメカニズムが明らかになるにつれ、その化学物質そのものの投与による直接のコントロールが可能になり、プロザックをはじめとするいくつかの薬剤が市販され、これらを服用するアメリカ人が激増しているという話しだった。内臓疾患と同様、脳内物質の過不足を調整することは当然の医療行為だという意見がある反面、個人の感情や性格そのものを人為的かつ他動的に変化させてしまうことに強い抵抗感を感じたものだ。


現に、極度に非社交的でネクラな人間が別人のように陽気で積極的になり、落ち着きがなく何事にも集中できない子供が人の話しに耳を傾けられるようになる、こういう劇的な変化を見せられると、地道な努力とか意志の力とか人間としての成長などと自らを叱咤激励していることの意味がわからなくなり愕然としてしまうのだ。個性とか人格ってなんなんだ


しかし、好奇心というものはおそろしい。たまたまワシントンの町角でジュースを買いに立寄ったドラッグストアで市販薬の棚が目に入った瞬間、もろもろの不安は消し飛び、なにかひとつアメリカでしか手に入らないような薬を買って帰ろうという誘惑にとりつかれてしまった。きっとある種の物質が私の脳の中で分泌されたに違いない。そして、風邪薬でも下痢止めでもなさそうな正体不明の薬を7ドル99セントで買ってしまったわけなのだ。値段も安いし、やばかったら捨ててしまっても惜しくない、と私の脳は判断したわけだ。


さて、帰国後2日目。さっそくラベルに書かれている名前DHEA(Dehydroepiandrosterone)や注意書きの解読にとりかかったのだが、英和大辞典を引いてもこんな単語は出てこない。注意書きにも18歳未満は服用禁止、妊婦は事前に医師に相談を、と書かれているだけで効能書きは見当たらない。ビタミン剤と並んで気楽に売られていたからといって、いくらなんでもこれじゃ飲んでみるわけにもいかない。健康食品や薬に詳しい知人に聞いても正体がわからない。しかし、世の中便利になったもんだ。そう、サーチエンジンを使ってホームページを調べてみれば良いのだ。そしたら、山のようにDHEAの関連ページがでてきた。その中のいくつかをご紹介する。


るみちゃんの精神神経科あれこれ・・・神経症を患うRUMIKOさんのホームページ


フラワーエッセンス・・・アメリカ在住の漢方医師による健康指南のホームページ


That’s 健康「USA健康フロンティア」・・・サンケイ新聞グループのニュースページの一部にあるアメリカ発の健康情報コーナー。DHEAの様々の効能が8編にわたって詳しく書かれており、現在アメリカで爆発的な売れ行きを示していることが紹介されている。


というわけで、ついにDHEAなる薬の正体が判明。知れば知るほど、これは慢性的な疲労を感じつつ、意欲的に新しい仕事にチャレンジしなければならないような中年男性、つまり私のためにあるような薬であることを確信するに至り、ついに毎朝1錠25mgの服用を開始したわけだ。


それにしても、通販のページなどを見ると40〜50ドルの値段がついている。現地で8ドル足らずで買えたものが、こりゃちょっとボリすぎじゃないか。日本とアメリカの規制と情報の格差が生み出す飢餓感が悲しい。


今回は、どうにもまとまりのない内容になってしまいました。偶然、ちょっと面白い経験をしました(している)ので、ご紹介させていただきました。肝心の薬効ですが、副作用的なマイナスの効果も含め、数日経過した現時点では何もないようです。曖昧な言い方ですが、気力の充実なんて薬のせいかどうか判断しにくいものです。何か自覚できる変化がありましたら、またレポートさせていただきます。