新型コロナウィルスの感染拡大がなかなか収まらない。
数理分析にもとづく予想どおりであり、少なくとも数か月は自粛を緩める状況にはならないと覚悟している。
毎月の客室稼働率を公開しているが、2月後半から影響が顕著になり、3月は約1/3減少、4月は半減する見込みである。


昨年12月に老母を連れてドイツのクリスマスマーケットを訪ね、2月中旬にはエジプトのナイル川クルーズに出かけた。
今はすべて催行中止になってしまっている。
ぎりぎりのタイミングで幸運に恵まれたわけだが、半年前、世界中の国々が鎖国状態になるなんて、誰が想像したことだろう。
最近は国内旅行も自粛ムードで、私も15年来続けてきた「ハーモニカ教室」の合宿旅行が中止になり、楽しみにしていたバイクツーリングも延期した。
本社でも在宅勤務を認めているため、オフィスは閑散としている。
電車通勤の社員が集まる職場は、もっともクラスターになりやすい場所に違いない。


ただ、日本国内に限って言えば、新型コロナウィルスの感染者は現時点で累計7,000人足らず、死亡者数は100人を超えていない。
検査を絞っているため、実際の感染者はずっと多いに違いないが、
厚生労働省発表 によれば、通常のインフルエンザの感染者(毎年10,000,000人)と死亡者数毎年(約10,000人)と比べてきわめて少ない。
こうしてみると、騒ぎ過ぎ、恐れ過ぎ、ここまで経済を委縮させることの合理性に疑問を感じてしまう、というのが私の率直な印象である。
予防法も治療法も確立されていない未知の病気であり、外国の状況を見ると、こうした見方は無責任な楽観論なのかもしれないが、
批判されることを承知で言えば、このままの状況が数か月も続けば、中小企業や自営業者の多くは倒れてしまう。
「病を治して病人を殺す」、それで良いのか。


とはいえ、経営者の務めとして、リスクに備えるため少しでも現預金を増やしておこうと金融機関に対し、積極的に融資の申し入れを行っている。
先々の心配とはいえ、資金繰りのことを考えるなんて、十数年ぶりのことだ。でも、「備えあれば憂いなし」である。
20年前、旅籠屋にお金を貸してくれる銀行なんてなかった。
堅実経営が評価され、少しずつ信用力が増し、7年前からは代表者保証もなく、今では年0.5%未満の固定金利で融資いただけるようになっている。
ありがたいことだ。
とにかく、従業員の生活を守り、地域を支え、たくさんの利用者の必要に応え続けなければならない。


幸いなことに、店舗の支配人を含め、社内で感染者が出たという報告はない。
でも、みんな不安を抱え、心配している。
そんな中、今週は「長者原SA店」のオープン準備に皆で出かける。
そして、引き続き、東北各店の支配人を集め、恒例の「社内懇話会」を開催する。
延期してはどうか、との意見もあったが、ウィルスとの戦いは長期化し、常態化することを考えれば、重要な通常活動は維持継続するべきだと決断した。
マスクや手洗いはもちろん、室内でのミーティングは窓を開け放して行い、食事会も屋外で行う。
リスクを最小限に抑える努力をしながら、やるべき大切なことはやり続けるべきだと考えた。
結果としてこの判断が誤りであれば、経営者の責任が問われることになる。当然のことだ。


テレビも新聞もコロナの話ばかり。
いつのまにか、気が滅入って「コロナうつ」にかかりそうになる。
だから、昨日も今日も、いつものように隅田川テラスをひとりで走った。
先週から、ジョギングする人の数が目立って増えている。
こんな時こそ、体を動かし、汗をかいて、心の元気を保つ。


何百年も続く東京の老舗企業は、明治維新も、関東大震災も、戦争も乗り越えて今に至っている。
もっとも恐れるべきことは、いつも「心の中」にある。