ニュースでも報道されていたのでご存知の方もいるかもしれないが、12月6日、内閣府の諮問機関である「規制改革推進会議」より「旅館業規制の見直しに関する意見」が政府に提出された。
この内容の多くは、当社が(財)宿泊施設活性化機構に対して提出した資料や問題提起をベースとしてまとめられている。
その提出資料は、以下のとおり。
● 160714民泊新法に関する提言
・・・ 7月14日に当社より宿泊施設活性化機構へ提出
● 161117不合理な規制の実例
・・・ 11月17日に当社より宿泊施設活性化機構へ提出
● 161125旅館業法に関連する規制の実例
・・・ 11月25日に当社より宿泊施設活性化機構へ提出
当社は、21年前にオープンした「日光鬼怒川店」以降、常に「旅館業法」などの規制に直面してきた。
これらの法令は、当初の目的であった公衆衛生上の観点に加え、1980年代に乱立したラブホテルを抑制するための細かな規制が加えられている。
ところが、「車で移動する人たちのための郊外の素泊まりの宿」という点で、本来のMOTELと「ラブホテル」に表面的な類似性があり、結果的に抵触する部分が少なくないという問題に悩まされてきた。
法令が制定された時点では、「ファミリーロッジ旅籠屋」のような本来のMOTELが想定されていなかったため、時代遅れで不合理な部分がたくさんあるのだ。
そもそも「ラブホテル」を白眼視することがどうなのかという問題もあるが、こうした規制が日本における本来のMOTELの普及を妨げ、「ファミリーロッジ旅籠屋」出店における大きな障壁となってきた。
「このままでは許可できない」と指摘されるたびに、法令の趣旨に照らして合理性があることを主張し、規制の枝葉末節に従うのでなく、手間ひまをかけて理解を求め、道を開いてきた。
つい先日も、四国のある市役所で、「特定ホテル建築規制条例」というものが定められており、一人用客室の数が全客室の3分の1未満であったり、ラウンジの面積が50㎡以上でなければ「ラブホテル」とみなす、と言われた。
「専ら異性を同伴する客の宿泊又は休憩に利用させることを目的とするもの」という前提条件があるのだから、当社の施設は該当しないと主張したのだが、それを判断するのは別途開催する審議会であり、それに諮るかどうかは我々担当部署が決める、という。
これから、求められるままに資料を提出し、既存店を案内したりして、審議会の開催をお願いし続けなくてはならない。
これをクリアーしなければ建築確認の申請も受け付けられないのだから、少なくとも2〜3ヶ月の時間が余計にかかる。
我々は、こんな誤解と煩雑な手続きで悩まされているのに、いっぽうで、非合法な「民泊」が増え、政府主導で「合法化」を急ぐ動きが顕著になっている。
過剰な規制で苦しんでいる状況が続いているなか、もぐりで横行する「空き室活用のためだけの金儲け」がなし崩し的に規制緩和されるのはおかしい。これを機に、既存の法令も抜本的に改正すべきではないか、このような問題意識から、今年2月に新聞に投稿を行った。
その内容については3月31日の「旅籠屋日記」に転記したので、ご覧ください。
その後、この投稿を機に、(財)宿泊施設活性化機構から、「民泊の合法化に関し、政府に対して既存法令の問題点について政策提言を行いたい。ついては、具体的なご意見を」との連絡があり、3回にわたって来社され、資料を提出し、提案を行ったいう次第である。
当社は、単に格安な宿泊施設を作って新しいビジネスを始めよう、という目的でスタートしたのではない。
このようなスタイルの宿泊施設を車社会のインフラとして整備することによって自由な旅やライフスタイルを守り育てていきたいという願いと使命感を持って歩んできた。
加えて、その過程で直面する不合理には、目を背けたり逃げたりせず風穴を開けようという姿勢を大切にしてきた。
今回のことも、そういう考えの中で力を尽くしてきたことである。
来年1月から始まる通常国会で審議されるようだが、我々の経験や提案が反映されることを心から願っている。



