2011年11月11日、婚姻届けや記念切符を買い求める人々のニュースが報じられていたが、
我が家では、愛犬が5回目の入院から戻るという、不安と喜びで心落ち着かない日となった。


最初の入院は、9月25日、歯茎にできた腫瘍のための検査入院だった。
病理検査のために軽い全身麻酔で細胞をとるだけのはずが、翌日から体調が激変し、2度目の入院。
さらに腹部からの出血と高熱により、半月に及ぶ3回目の入院。
腫瘍の治療どころか、下腹部、胸、両前足の皮下脂肪が壊死して血と膿が流れ続ける異常事態となり、死を目前に緊急輸血で命をつなぎ、必死の治療が続けられた。
毎朝毎晩、好物の料理を持参してわずかな散歩と食事を与える病院通いの毎日が始まる。


ところが10日後、最悪の状況を脱したかに見えた矢先に、今度は右後ろ脚の股関節脱臼。
これはもう元には戻らないと聞かされ、絶望的な気持ちになった。
この頃が、最悪の時期だったかもしれない。


数日後、病院にいるよりも家で介護する方が良いという判断で、退院。
獣医さんが毎日のように往診してくれ、壊死して開いてしまっている胸や肘の部分を麻酔無しで何回かに分けて縫い合わてくれる。
少しずつではあるが、傷口は狭まり、出血も減って、生気が戻るのがわかる。
しかし、ここまでは当面の危機的症状を抑えるだけで、抜本的な治療は何も始まっていない。


そして2週間、今度は陰部からの出血がひどくなり、各所の炎症は子宮が元凶ではないかとの疑いが濃厚になり、専門施設でCT検査。
予想通り、子宮・卵巣・脾臓の一部に異常が見つかり、急遽、摘出手術を行うことになる。4回目の入院。あわせて、歯茎の腫瘍切除手術も行う。
これで、3つのうち2つの原因にメスを入れたことになる。


幸い術後の経過が良く、翌日には退院。
たしかに、元凶を取り除いたおかげで、下腹部や胸・両肘の傷口も目に見えて治まっていく。
ところが、1週間後、脱臼している後ろ脚の痛みのせいか、歩こうとしなくなる。このままでは、筋肉が萎え、腰にも異常が出てくる危険性があるらしい。もっと先になってからと思っていたが、ここで、とうとう右後ろ脚大腿骨の骨頭切除手術を決断する。
大型犬では賛否両論あるらしいが、「骨同士の接触による痛みがなくなり、筋肉の回復によってかなりの程度自由な歩行が可能になる」という医師の強い勧めに従うことにした。
そして、11月10日、5回目の入院で、骨頭切除手術。
翌日、どんな姿で戻ってくるか不安でならなかったが、ちゃんと右脚を地面について歩いてくる。嬉しそうに尻尾を振りながらすり寄ってくる。
「痛い思いをするのは、これで終わったからね」と言いながら、抱きしめる。


そしてきょうで、丸8日が過ぎた。
食欲旺盛、寝てばかりいたのにすぐに起き上がり散歩に行きたがる。 ソファにも上ろうとする。
明らかに痛みが減っているのだろう。普通の生活に戻ろうとしている。
このまま少しずつ関節周りの筋肉を戻していけば、半年ほどで走れるほどに回復する可能性もあるという。
走れなくてもいいから、ストレスなく自由に歩き回れるようになれば、それが彼女にとって何よりのことに違いない。生活の質が保たれる。
今6歳。大型犬の寿命は短いが、それでもまだ半分。この先、1日でも長く生き生きと暮らしてほしいと祈るばかりだ。


今、ソファの脇で穏やかに眠っている。
それだけで、嬉しくてならない。


この2ヶ月、仕事もほんとうに忙しく、膝の故障もあってランニングも間が空いてしまっている。
吐き出したい思いも溜まっているのだが、心身ともに余裕のない毎日だった。
しかし、ようやく愛犬の病気もようやく快方に向かい、心も少しラクになってきた。
やりたいこと、やるべきことは山のようにあり、際限ないのだが、そろそろ、立ち止まってこの日記に書き付けていこうと思う。