先日、あるテレビ局から取材の打診を受けた。ごく限られた広告宣伝しかできないから、こうした取材は大歓迎である。
ぜひに、と答えたが数日して再度電話があり、「最近注目されている新しい宿泊施設はユニークな工法や設備を採用して建コストを大幅に下げているようですが、旅籠屋さんの場合、何か目新しい工夫はありますか?」という質問を受けた。宿泊施設の場合、イニシャルコストを下げることが事業の成否に決定的な影響を与えるから、当社でもさまざまな工夫を行ってきたが、ハード面で特別目新しい大規模な変革というものはない。そのとおり答えたらなんとなくがっかりしている様子だ。先方の取材ポイントが見えてきた。
「車社会のインフラとして欠落していた宿泊施設が誕生し、旅行スタイルに変化をもたらすことが重要です。そういう観点で取材していただけませんか?」
例えばウォークマンや携帯電話は、装置の小型化ではなく、その普及によって多くの人の生活スタイルが劇的にかわったことに画期的な意味があったのではないか、私はそういうことを訴えたかったのだが、話はかみ合わなかった。だって、利用者にとって工法や設備のコストなんてどうでも良いことではないか。
結局、取材の話はそれっきりとなってしまった。
マスメディアの力は大きい。だから、メディアの人たちを無条件にかいかぶる傾向がある。しかし、私に言わせればろくでもない人間も少なくない。ジャーナリストとしてのセンスのない連中が、勘違いして偉そうにしている。アホくさ。



