「木更津港店」や「大阪枚方店」のオープン準備、決算手続きなどに追われている時期だが、半年以上前に予約したこともあり、6月下旬、10日近くも休みをとり、強引にイギリスに行ってきた。「イングランド北部 湖水地方とマン島 9日間」というバイクツーリングである。
海外でのバイクツーリングは2度目。前回は、ちょうど3年前の6月中旬に行った「アメリカ大西部周遊とルート66 8日間」。
40年以上バイクに乗り続けているし何とかなるだろうと甘く考えて申し込んだのだが、ハーレーに乗るのは初めてで、乗車姿勢も操作方法も違うし、何より車重が400kgもあり、初日から立ちコケしてしまった。恐怖心さえ感じてしまい、グループから離れ、出発地のラスベガスでみんなが帰ってくるのを待つことにしようかと本気で考えたくらいなのだが、なんとか気を取り直し一日一日必死で旅を続け、1,700kmの行程を走りきることができた。
毎日40℃を超える気候で、後ろに乗るカミさんも大変だったと思うが、ギラギラ照り付ける太陽を感じ、乾いた風を受けながら雄大な風景に包まれる感覚は、観光バスツアーではけっして味わえないもの。何より、自分でアクセルを開け続けない限り進んでいかないのだから、能動的な意志を問われる旅であり、バイクツーリングならではの深みを生む。苦楽を共にする仲間とも、運命共同体のような心のつながりが生まれ、忘れられない色濃い思い出となった。
今回のイギリスツーリングも、3年前の記憶が後押しして決めたこと。気力体力があるうちにと思って決断した。ロンドンには過去2回行ったことがあるが、映画などで見るイギリスの田舎の風景を体感してみたいと思った。昔から関心のあった マン島TTレース の舞台を訪ねられるというのも魅力だった。
ところが、出発の40日前の5月11日、ひさしぶりにぎっくり腰になってしまい、無理に山歩きをして悪化させてしまったこともあり、完治しないまま当日を迎えることになった。 何とかなるだろう。
以下、私なりに感じたことを中心に、旅のあれこれをまとめてみるので、よろしかったらお付き合いください。
全体の行程は、以下の通り。7泊9日の旅である。
●1日目・・・6月21日
早朝に成田空港に集合。添乗員を含め、総勢9名。バイクは6台。自分が最年長に違いないと想像していたが、なんと70歳以上が3人もいる。
まわりから見ると老人ツアーである。
飛行機は大韓航空なので、ソウル郊外の仁川空港で乗り継いでロンドンに向かう。
この空港は、東アジア有数のハブ空港らしく、さすがに規模が大きく、施設も立派。
空港内では、昔の武人のような装束の人たちが剣舞などを演じて回っている。なかなか見ごたえがあり、しばらく見入ってしまった。
国の表玄関で自国の歴史や文化を紹介するこうした試みはアリだと感じた。余裕があれば、日本でも、全国の空港でデモンストレーションをやってみれば良いのに、と思った。そういえば、ハワイに行くと、フラダンスで迎えてくれる。
日本人は積極的にアピールすることが苦手なのか、必要ないと思っているのか、こんな所で負けていると感じた。
仁川空港からロンドンのヒースロー空港までは11時間以上。
入国審査に時間をとられると心配していたが、最近自動化されたようで、申請書類もなく、機械にパスポートをかざして写真を撮られて終わり。
列に並んでいた時間を含め、15分程度で完了した。
ところが、そのあと、迎えの車が遅れ、宿に到着したのは午後9時近く。
ロンドン郊外にあるもうひとつの空港、Gatwick空港そばの小さなホテル、ちょうど夏至の頃なので、この時間でも外は明るい。
●2日目・・・6月22日
時差の関係で早朝に目覚めたら、快晴の青空。
先週は雨が続いていたので案じていたが、晴れると湿度も低く、空気がさわやか。
下の写真はホテル前の街並み。緑が多く、鳥たちが飛び交い、あちこちからさえずりが聞こえる。街は静かでいい感じ。
そうか、今日は土曜日なんだ。
タクシーに分乗して30分以上走り、レンタルバイクのお店に到着。
トライアンフ2台、BMW2台、モトグッチ1台、私は手前に写っているホンダCBF600。
もっともシート高が低いことを期待しての選択だったが、またがってみるとつま先立ちに近い。4気筒で重量があり、これが悲劇を繰り返すことになる。
なんとか走り出して、しばらくは伴走する4輪に続いて田舎道を走る。
左側通行なので走りやすいが、日本のような信号のある交差点が少なく、ほとんどがRoundaboutと呼ばれるロータリー。
さっそく高速道路に乗るロータリーで車列が分断され、最後尾を走っていた私ともう1台は、先行する人たちを見失ってしまった。
M24というロンドン環状高速を西へ向かうはずが、どうも逆の東に走っているらしい。
路側帯に停車して添乗員に電話したところ、次の集合場所であるSAで待っているから、どこかでUターンしてきてくれとのこと。
ここで説明しておかなければならないのだが、イギリスの高速道路は大部分が無料。アメリカと同じだ。知らなかった。
ただ、アメリカの高速は、市街地を離れると信号はないものの一般道路とあまり区別がつかない感じで、気軽に出入りすることができるが、イギリスの場合は日本と同じく閉鎖された空間になっており、インターで一般幹線道路に乗り換えるジャンクションがあるだけで、いわゆる出口というものが見当たらない。
この違い、うまく伝わるだろうか。
日本のように出口を見つけて外に出て入り直せば逆方向に走れると思ったが、それが出来ず延々と逆方向に走り続けてしまった。
ようやく状況を理解し、ジャンクションから一般道路に出て、ロータリーを使って逆向きに高速に入り直すのに30分以上かかってしまった。
上のマップの点線が無駄に往復した部分だ。
というわけで、集合場所のSAに着いたら、みんなは待ちきれずに出発した後。交代でトイレを済ませ、ちょっとだけ施設を覗いてみた。
ここでまたアメリカとの違い。
同じ無料でも、アメリカの高速には、トイレやベンチだけ設けてあるRest Areaはあるが、日本のような飲食物販やガソリンスタンドがそろっているService Areaに該当する施設にお目にかかったことはない。私の知る限りの話なので、まったくないとは断言できないが、あったとしてもごく一部だけなのではないかと思う。
要するに、食事をとったり、買い物をしたり、給油したければ、気軽に高速を出て、一般道路脇の施設を利用すれば事足りるという感じだ。宿泊施設も同様、MOTELは無数にある。
ところが、イギリスの高速は厳格に閉じているので、日本と同じような施設がある。サービスエリアという名前ではなく、Serviceseという名前で道路脇に表示が出ている。
上の写真は最初に立ち寄ったCobihamというSAの施設内の写真。日本とよく似ている。しかし、決定的に違うのは、必ず宿泊施設があること。
今回の旅行中、数か所のSAに立ち寄ったが、例外なくMOTELかHOTELがあった。
下は、最初にCobihamというSA内にあったDays Inn。アメリカ中にある有名なMOTELチェーンだ。パンフレットを見たら、イギリスだけでなんと600軒以上もある。
イギリスの高速道路はMotor Wayと呼ばれ、M1とかM25のように番号が付いている。一般道路はAという記号と数字が付いている。
ちなみに、 日本やアメリカの場合、高速道路関連の表示は緑色に統一されているが、イギリスでは白地の看板で他との区別がつきにくく、慣れないと見過ごしてしまいがち。ロータリーの標識もそうだが、アルファベットだけで書かれている内容を一瞬で読み取るのは難しい。
漢字を使う日本のありがたみを痛感する。
下は、バイクのレースで有名なドニントンパークに隣接するSAにあったTravelodge。これもアメリカ中にある有名なMOTELだ。
途中、シルバーストーンやミルトンキーンズなどの地名標識が目に入る。イングランドはモータースポーツファンにはワクワクするような場所なのだ。
そんなこんなで300km以上を走り、夕方6時頃に今日の宿泊地、ノッティンガムに到着。
歴史のある街のようで、お城を中心に赤レンガの建物が連なる落ち着いた品の良い雰囲気。
早めに着いたので、街中を散歩し、イングランドで一番古い(1189年開業、元はInn)というパブで夕食。
店の名前がすごい。「エルサレムへの道」。十字軍の宿だったのか?
みんなは地ビール、飲食に興味のない私はコーラにフィッシュ&チップス。
意外においしかった。



