過去1週間の書き込みにあるとおり、この「旅籠屋日記」の性格付けと書き込み内容について、株主の方から重要な問題提起をいただいた。直接いただいたメールおよび社内での意見交換を踏まえ、私の見解と今後の方針を説明させていただきたい。
■提起された問題の主旨と、これに対する基本的見解
| 提起された問題の主旨 | これに対する基本的見解 |
| 個人と法人を明確に区別すべきである | 経営者の個性や信条が企業活動を牽引し方向付けしていくことは否定されるべきことではなく、逆に他社との差別化や社会的な存在価値を高めていくために必須の要素であると考える。ただし、公私混同による私物化や利益相反行為を排除するため、自主的に一定のルールを設け、今後はこれに従う。 |
| 会社の業務に直接関連のない話題には触れるべきではない | 企業の理念や事業のコンセプトは、業務の遂行をとおして具現化されるべきである。ただし、それらは本来抽象的な目的意識や価値観を含むものであり、その醸成のためにも経営者個人が具体的な業務との関連の中でしか語ってはいけないとは考えない。 |
| 社会的、政治的、宗教的なメッセージは掲載すべきでない | 企業が事業活動を離れた政治的、宗教的目的を追求することは適当でない。しかし、企業が社会的存在である以上、その活動は一定の社会性、政治性を持つのであり、それを自己目的化せず、企業の理念や事業のコンセプト実現のために行うのであれば制約を設ける必要はないと考える。 |
| 事業の拡大や株式公開などにともない、経営者個人の発言は慎むべきである | 不特定多数の株主を含めた利害関係者の増大と多様化に対する配慮、マスメディア報道などによる予期せぬ反応に対する慎重さが求められるが、部分的な反発や誤解のみを恐れた自主規制は本末転倒である。したがって、現時点では本質的な方針変更は必要ないと考える。ただし、批判や誤解に対しては速やかに対応し、理念やコンセプトを理解いただくよう最大限努める。 |
■経営者個人が、経営者であることを明示した上で行う個人的発言について守るべきルール
・ 会社の公式見解ではなく、個人的な意見であることを明示する。
・ 個人サイトに関する費用は個人が負担する。
・ 結果的にであっても、短期的にも長期的にも明らかに会社の利益を損ねる言動は慎む。
・ 発言の責任は、会社ではなく個人に帰することを認めたうえで行う。
■具体的対応
1.個人的な性格の強いコンテンツは、個人契約の別ドメインのサイトに移動する。
2.ただし、「旅籠屋日記」は「旅籠屋」の事業紹介やコンセプトを訴求する性格を持ち会社にとっての有用性が高いと考えるため、従来どおり「旅籠屋」サイト内に置き、会社の公式見解ではなく、個人的な意見であることを明示したうえでサイト来訪者が容易に閲覧できる状況を維持する。
3.「旅籠屋日記」は「旅籠屋」のコンセプトを生み出し実現しようとする創業社長のメッセージであり、名称の変更は行わない。
4.「旅籠屋日記」の書き込みについては、上記のルールに従い、個人的な利益につながる発言を行わず、たとえ結果的にであっても、短期的にも長期的にも明らかに会社の利益を損ねる言動は慎む。ただし、社会的、政治的な内容であることのみをもって利益を損ねるとは断定しない。
5.5月6日の書き込みについては、それ以降の書き込みによってその主旨を詳細に語っており、そのこと自体が「旅籠屋」の企業姿勢を表す面もあり、また利益を損ねていると断定できないため削除しない。
6.「旅籠屋の主人」というネット上の呼称は、前後関係なく発信され誤解と悪印象を生じる可能性を否定できないため、今後は用いない。
7.1は別ドメインの取得などに時間を要するため5月末までに、その他については即刻実施する。
以上が、数日間考えに考えた結果の結論です。結果的に、大きな変更はないように思われるかもしれませんが、問題提起の主旨と心情は理解したつもりで、おかげで曖昧だったスタンスは、より自覚的で明確なものになりました。話題の選び方や表現のトーンなどにも多少の変化が生じるかもしれません。私としても、結果として多くの誤解を招く「独りよがり」は本意ではないからです。たしかに今までのように気楽に無邪気に書くことは難しくなりました、かと言って当たり障りのないことばかりを書くつもりはありません。
もちろん、 今後、更なる問題提起によって、「旅籠屋日記」に関するスタンスをさらに見直すことも当然ありうることです。引き続き、率直なご批判やご意見をいただければ幸いです。



