サッカー日本代表の国際試合は可能な限り全試合見ているが、今夜のアジアカップ準々決勝、日本対ヨルダン戦は忘れられない試合になった。
感動した。
テニスで言えば、3回のマッチポイントをリターエースではね返したようなものだ。サッカーの世界においてアジアの地位は低い。だから、世界的に見ると、あまり注目されていないのかもしれないが、間違いなく「奇跡的な勝利」として歴史に残るべき試合だったと思う。しかし、記憶されるべきは「大逆転勝利」という結果よりも、日本代表選手たちの戦いぶりだったと思う。
ホスト国にあるまじき地元観客の愚劣な態度には毎回頭に来ていたが、そういう環境の中でも感情を抑えながら最後の最後までひたむきに全力を出し続けた選手たち。陳腐な言い方だが、サムライという言葉が頭をよぎった。今日の試合を見た人の多くが、代表選手たちの「感情をコントロールする意志の力」に心動かされたと思う。相手を茶化したり投げやりな態度をとらないフェアな態度、四面楚歌の状況でも自分を見失わない冷静さ。仮に敗戦に終わっていたとしても彼らはツバを吐きかけたり、レフェリーに暴言を投げつけたりせず静かにピッチを後にしただろう。以前は、そういう物言わぬ「おとなしさ」が日本人の「ひ弱さ」に感じられることも多かったが、海外で「冷や飯」を食わされながら自暴自棄に陥らず精進を続けてきた選手たちの活躍は次元の違う「たくましさ」として伝わってきた。
日本という国や、日本人に失望することの多い昨今、久しぶりに日本人であることに誇りを持てた。 愛国心とか誇りというものは、学校で君が代を歌うことを強制したり、教育基本法にことさら言葉を足すようなことじゃないと思う。政治家も、企業人も、目先の保身や利益だけに振り回されず、周囲に迎合せず信じる道を進むべきなのだと、私はあらためて思ったしだいである。 敬意と共感こそが、誇りと愛情の強固な基盤になる。
日本人も捨てたモンじゃない。日本人の持っている国民性の良質な部分を確認できたようで、私はとても嬉しかったし、背筋が伸びた。
スポーツバラエティやワイドショーの次元で矮小化しないでほしいな。



