ショッキングなタイトルだが、もちろん「旅籠屋」のことではない。
私が、昔、勤めていた会社の話。


いろいろあって、大学を卒業したのが26歳。
「サラリーマンには絶対向かない」という周囲の声と「サラリーマンにだけはなりたくない」という自らの願いを裏切って、就職した会社。
2〜3年続くかな、という予想だったが、結局12年半在籍した。
その会社が解散してしまうらしい。
驚くと同時に、複雑な心境。


退職したわけだから、批判的に見ている部分はもちろん多い。
でも、良くも悪くも、社会人、ビジネスマンとしてのイロハを教えていただいたわけで、あの頃の経験の上にしか今の自分はない。


日本にも合理的で質の高い住宅を作ろう、という目的意識のもとで、竹中工務店や新日鐵の共同出資で設立された、ユニークな会社。
そういうコンセプト重視の企業のDNAは、間違いなく私の心の中に受け継がれている。
親会社から役員が天下ってくる会社の「経営者不在」の問題点や、プロパー社員の情けない状況も苦い体験として刻まれている。


もともと、起業なんて夢見ていなかったし、状況がほんの少しでも違っていたら、転職なんてしなかったかもしれない。


当時の同僚は、きっと会社の幹部だろう。
会社が解散したら、この先どうするのだろう。
きっとたいへんだろうな、と思う。


会社の利害関係者(ステークホルダー)という言葉があるが、社員だけでなく、その家族、顧客、たくさんの取引先、そしてもちろん株主。
経営者としての社会的責任と義務、そのために必須な資質や能力のことをあらためて考える。