「金沢内灘店」でのオープン準備の真っ最中に、安倍退陣のニュースを知った。
「ありえねー」と驚くと同時に、かなり腹が立った。
一般のサラリーマンだったら、どうだろう。
中小企業の経営者だったら、どうだろう。
みんな、心身のストレスを抱えている。
自殺を考えるほど追い詰められている人も少なくない。
辞めたら、家族や社員が路頭に迷う。
取引先や株主に迷惑をかける。
みんな、そういう責任感にぎりぎりの所で引き止められて、耐え難きを耐えている。
前から何度も書いているとおり、私はお役人が大嫌いだ。
なぜ嫌いなのか。
最大の理由は、許認可権限など「人の自由を制限する力」を持っているからだ。
「人に命令できる権利」というものは、本来きわめて特殊かつ異常なものであって、それを持つ者は重大な責任とさまざまな義務を負っていることを自覚しなければならない。
そのことに無自覚で、当たり前のように上からものを言う連中が少なくないのだ。
一国の宰相の抱えるストレスは並大抵のものではないだろう。
過酷な権力争いの醜悪は、地獄の業火に焼かれ続けているようなものかもしれない。
しかし、首相は最大の権力者であって、もっとも大きな責任を負っている人間だ。
ルーキーでもあるまいし、職責の重さと困難について、ある程度の予想と覚悟はあっただろう。
それを今になって匙を投げるというなら、それは、自分の体力や精神力の程度を見極めていなかったということだ。
食べきれないなら、最初から箸をつけてはいけない、ということだ。
こんな人間に、ある種の覚悟を匂わせながら「美しい国」などという資格はない。
「再チャレンジ」などを語る資格もない。
退陣と同時に、代議士も辞めて政界から退くのが、最低限の常識でしょうに。



