意外に思われるかもしれないが、新店舗のオープン日には、誰も行かないし、何もしない。
本社スタッフ総出のてんやわんやのオープン準備は半月ほど前に終わっている。
13年前、1号店開業の時は、なんとなく「常識」にとらわれて現地で簡単なパーティを催したが、その後は支配人だけが、静かに普段どおりお客様をお迎えする、それだけだ。
宿泊業は、息の長い、地道なビジネスである。一過性のお祭り騒ぎは必要ないし、そもそも旅籠屋には似つかわしくない。
しかし、例外もある。2年前にオープンした「東京新木場店」、そして今回オープンした「壇之浦PA店」である。
「東京新木場店」は、念願の東京湾岸エリアへの出店だったし、リサ・パートナーズとの業務提携による1号店。
少しでも知名度を上げたかったし、 広くメディアの方を招待して記者発表を行った。
そして、「壇之浦PA店」。
これは、西日本高速道路初の宿泊施設であり、テープカット、記念植樹を含め、驚くほど盛大なセレモニーが開かれ、会長自ら参加された。下関市長をはじめ、警察・消防・商工会議所の皆さんも参列された。
正直言って、こうした「形」に違和感を感じないわけでもなかったが、これは大きな期待をこめて先例のない決断に踏み切った勇気と熱意の証であり、誠にありがたいことであり、主催者の一員として挨拶することが少し誇らしかった。
実際、テレビ・新聞・ラジオと多くのメディアの方々が集まり、ニュースとしてたくさん取り上げていただいた。
当社だけでは、とてもできることではないし、一日もはやく、多くの人たちに存在が知られ、旅行者に活用されるようになることを心底願っている。
あとは、期待以上の満足を提供し、高速道路を利用するドライブ旅行に新しい可能性を切り開いていく、それが我々の責任であり、夢である。
セレモニーの有無を問わず、建物が完成して、オープンを迎える時にいつも思うことがある。
それは、必ずしもスポットライトを浴びない人たちのことである。
組織の中で、物事をスムースに実現していくためにある種のリスクをとりながら準備を進めた担当者。
限られた予算と工期の中で、大きなストレスを感じながら多くの業者をコントロールした現場監督。
雪の日の寒さの中で、真夏の暑さの中で、ほこりまみれになって自らの手で建物を作りあげていった職人の人たち。
そして、もちろん、慣れない地に赴任して、すべての責任を負いながらお客様を迎える支配人夫婦。
どんな仕事も同じかもしれないが、すべての基本は現場にある。
当たり前のことを当たり前のようにやる、それはなんとなくできることでは決してない。
「ここは、手を抜かずにきちんとやっとこう。もう少し、頑張ろう」。こういうひとりひとりの思いの積み重ねがある。
すべてはこれからですが、とりあえず、すべてのみなさんへ、感謝!
ほんとうに、ありがとうございました。



