本日(3/13)夕刻、「須賀川店」支配人から届いたメールです。
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現在、南相馬市の津波被害で家を無くしたM様ファミリー15名、
いわき市の会社で自宅が原発付近の方達5名(S様グループ)が宿泊。
S様グループは昨日満室のため、ラウンジにて寝ていただきました。
本日チェックインされる方は復興支援関係の方々です。


M様は着の身着のままで逃げ出したが、あちこちの避難所がいっぱいで
こちらまで来られました(こちらに住んでいる親類を頼って)。
また、透析が必要な方、インスリンの注射が必要な方、高血圧薬治療の方が
お見えになり、市内のクリニックにて治療を受けました。


衣類販売の店が営業してない為、私達の服を着替えにお渡ししましたが、
年配の方や子どもの服が手に入りません。


食料は皆さんの協力で何とか手に入れております。
昨日までお泊りのシャトレーゼのY様から、2度もお菓子や水を
いただきました。S様グループ様からは、カップ麺やジュースを。
また、M様は配給で水を貰ってきてくれました。


須賀川のスーパーはどこも品薄で食料がほとんどありませんが、
郡山まで行けば手に入れることができるようです。


断水のためにトイレの水を流すことができない為、大便対策として
浄化層の一箇所の蓋をはずし、足場用に板を置き、周りをシートで囲み、
簡易トイレを作成いたしました。


近いうちに「停電」となる話や「震度6弱の地震に警戒」といった
ことも流れているようなので、注意して運営いたします。

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3/11(金) 地震発生直後より、本社全員で手分けし、宿泊中のお客様にケガなどがないか、建物の状況はどうか、直ちに全店に連絡をとり始めた。
すぐにホームページ上に告知欄を設け、お客様や建物の状況報告を開始する。
社内で作成しているので、即刻対応できる。
コップが落ちて割れた、ラウンジの棚が倒れたなどの報告はあったが、幸い、お客様にも建物にも被害はない。
留守宅のご家族に対し、一刻も早くこの情報をお知らせすることが大切だと確認しあう。


西日本を中心に、大半の店舗はじきに確認が取れたが、北関東から東北の店舗とは連絡がつかない。
固定電話はもちろん、支配人用の会社の携帯電話、個人の携帯電話、深夜にいたるまで必死で電話を掛け続ける。
日が暮れても茨城県から福島・宮城・岩手の数店舗の状況がわからない。
ニュースを見聞きしていると不安ばかりが大きくなり、最悪の事態が頭をよぎる。


夜10時頃 ようやく全店と連絡がとれた!
お客様も支配人も全員無事。建物も大きな被害無し。
万歳! 社内に歓声が響く。


オフィスの中心に白板を立て、情報を整理していく。 さながら、「ファミリーロッジ旅籠屋・地震対策本部」。
今夜はもちろん、徹夜態勢。
無事の第一報はそろったが、情報が断片的なため、ライフラインの詳細を整理すべく、順番に再確認していく。


電気・水・ガス・通信のライフラインに不具合の生じている店舗が10近くある。
刻々と通信状況が悪化しているらしく、2〜3店舗とは再度の連絡がとれない。


深刻な津波被害のニュースが流れる。
連絡がとれないのは太平洋に近い店舗ばかり。
何か状況の変化があるのではないかと、社内に緊張感が高まる。


明け方になって、山梨方面に出張していたスタッフがようやく帰社し、今後の対応を相談する。
ひとつふたつと連絡がとれ、「仙台亘理店」が最後に残る。
なんとしても支配人の安否確認をとりたい。


昼近くになり、2名に車で現地まで行ってもらうことを決定。
たどりつけるのかどうかもわからないが、他に方法はないし、事は緊急を要する。
さまざまな物資を積み込み、飲料水を大量に購入し、「徹夜明けの運転、くれぐれも気をつけて」と見送る。


この時点で、ライフラインに不具合はあるが、宿泊可能な店舗に対し、「行き場に困っている被災者を無償で受け入れるよう」指示する。
災害時には、シェルター=一時避難施設として社会貢献しよう、ということは以前から社内で話していたこと。


車で向かったスタッフからは、時々連絡が入る。
渋滞がひどく難渋している。
深夜1時、12時間かけてようやく「須賀川店」到着の連絡。
要請されていた給水用ポリタンクや飲料水を渡したが、館内には被災者があふれているとのこと。
会社の方針とはいえ、断水の中、必死で世話をする支配人の労苦に言葉がでない。


そこからは、比較的道路はすいていたらしい。
明け方近くに「仙台亘理店」近くに迫り、朝、6時過ぎ、「支配人無事! 津波は建物に達していないため、被害無し」との連絡。
良かった! 良かった! と大声で答える。


余震の恐怖の中、駐車場の車の中で2晩過ごし、店を守り続けた支配人に、感謝と敬意。


そして、今夕、「須賀川店」から冒頭のメールを受け取る。
読みながら、涙がにじんだ。
「旅籠屋」がこうした存在でいることを、心から誇りに思う。
さっそく全店に回覧。励ましのメッセージが届き、隣の「那須店」は救援物資を積んで、現地に向かってくれた。
「いわき勿来店」にも、福島原発周辺から避難してきた方々が滞在しているとのこと。


すべては、継続中のこと。
大きな被害がなかったとは言え、売上の減少は避けられず、正直言って、経営者としては頭が痛い。
しかし、多分、大丈夫。
利益を少し減らしても、「旅籠屋」の存在意義をまっとうし、不安なくお泊りいただけるよう最善の策を講じていくことを心に誓う。


3日目の夜。
明朝からの停電対策などに追われるが、今夜も頑張る!