2日前、約半月ぶりに全店そろっての営業に戻した。
「仙台亘理店」は3/11〜23の13日間、「いわき勿来店」は3/17〜27の11日間、「須賀川店」は3/18〜27の10日間の一時休業。
1995年夏の1号店オープン以来、一日も欠かさずお客様を受け入れてきた時間が、途切れた。
原発事故の収束が見通せない状況だから、これからも何が起こるか楽観できない。
しかし、今は、とりあえず宿泊施設の使命が果たせることに、正直、安堵している。
3/11の地震発生から、20日間近くが過ぎた。
当初のパニック状態が少しずつ収まるにつれ、逆に長期にわたる不安が浮かび上がってくる。
「旅籠屋」にとっても、影響は少なくない。
被災地の近くの店舗だけでなく、広域でキャンセルが相次いでいる。
春休みの旅行を取りやめたご家族が少なくない。
リーマンショック後の不況のように、ビジネス出張も節減の対象になるかもしれない。
意外なところでは、すでに工事を進めている新店の建材資材の一部に納品の遅れが出ている。
夏には、大規模な計画停電も予想されている。
混乱の中でも規律を守る日本人に、世界から驚きと賞賛の声が寄せられているようだが、それは「右へならえ」で動きがちな特性にもつながる。
夏休み、みんながそろって旅行を自粛するムードになるのかもしれない。
オイルショックの時のように、政府やマスコミが「不要不急の時のマイカー旅行は控えましょう」などと言い出しそうな気もする。
語弊を恐れずに言いたい。
右腕が大怪我をしたからといって、寝たきりになって安静にしていることが良いとは思わない。
幸いなことに、無傷の左腕も、両脚もあるじゃないか。
手術の翌日から歩け歩けと言われるように、右腕を守りかばいながらも動きを止めず、血をめぐらせ、体力を維持していく。
痛みに負けず、しっかり食べて、前向きな気持ちを失わない。
そのように元気に毎日の暮らしを続けるからこそ、勤勉で、誠実で、優しく知的な個性をさらに輝かせることができるのだと思う。
そうした意味で、昨夜のサッカーのチャリティーマッチは素晴らしい挑戦だった。
「こんな時に不謹慎じゃないか」という後ろ向きの批判を恐れず、 「目立たないことが無難」という考えに逃げ込まず、
ひとりひとりが自分で考え、それぞれの持ち場で行動していけば良いのだ、という前向きのメッセージを発信してくれたと思う。
再開した店舗では、さっそく復旧関連の方々のご宿泊が増えている。
「佐野SA店」の場合、東北道が緊急車両専用となっていた間、遠くから救援・復興に向かう方々の中継宿泊施設として大いに活用された。高速道路内に宿泊施設があることの意義をあらためて実証できたと思う。
ほんとうに嬉しく、誇らしい。
特別なことは何もしない。
いつもどおり。
一灯照隅。



