●3日目・・・6月23日
じつは、 バイクツーリングの初日、ガソリンスタンドの近くで、さっそく立ちコケしてしまった。
走っている時は何の問題もないのだが、停止して足を着こうとした時につま先立ちになってしまい、バランスを崩して車重を支えきれなくなってしまう。
後ろのシートにカミさんを乗せていたので、怖い思いをさせてしまった。
身長の低さを嘆きたくなるが、スムースな減速と停止やシートから降りての取り回しの下手さ加減は私のせいだ。情けない。
結局、きょうから彼女は添乗する4輪の伴走車に同乗させてもらうことにした。申し訳ない。
今日は、前半は高速道路を北上し、後半は一般道路を走って、イングランド北部の景勝地「湖水地方」を巡る。
ロンドンの環状高速を離れてからリーズという町までは、ずっとM1という高速道路。
1号という名前が付いているので、日本の東名高速のような最大の幹線道路なのだろう。
通行量が多いが、 片側3〜4車線と広く、走りやすい。制限速度は70マイル=112km。ほとんどの車は100〜130kmで淡々と走っている感じ。
割り込みやあおり運転はなく、マナーは良い。1/4〜1/3は日本車、嬉しい。
おもしろいのは市街地が近くなって渋滞が発生するようなエリアになると、時間と区間を限定して路肩の走行を認めていること。
日本でも、渋滞時に限って2輪の路肩走行を認めるようにしようというアイデアがあるが、ぜひ実現してほしい。
最初に立ち寄ったSAには、もちろん宿泊施設。
走りやすいが単調な高速道路を降りて、ようやく一般道路に入る。
すぐに、SETTLEという町の小さな鉄道の駅に立ち寄る。
あまりの美しさ、かわいらしさに感動してしまった。
飾られている草花を含め、心を込めて大切にしていることが伝わってくる。
ご承知の通り、イギリスは鉄道発祥の地。車に押されて衰退しているのは日本と同じだろうが、鉄道マニアがボランティアで走らせている路線も多いらしい。
鉄道が、輸送という機能だけでなく文化として受け継がれ、大切にされ、定着している。
このあたりに、イギリスの文化的な深さや成熟した味を感じる。
日本では、経済的合理性だけで、線路や道や建物が捨てられていくことが多い。
やりきれない。うらやましい。あこがれてしまう。見習いたい。
田舎道を走り、いくつもの小さな町や村を過ぎると次第に家が少なくなり、荒涼とした風景がひろがってくる。
ヨークシャーデイルと呼ばれる地域だそうだ。
ここまで500km以上イングランドを南北に縦断してきたわけだが、島国とはいえ、日本とは景色が大きく異なる。
高い山がなく、見渡す限りなだらかな丘が続く。部分的に残る林を除くと牧草地。そこでは羊や牛や馬がのんびり草を食んでいる。
水田がないため、ゆるやかな斜面ばかりだ。
ヨークシャーデイルを過ぎると、湖水地方。
この辺りは明らかに氷河が作り出した地形に違いない。谷間には細長い湖が点在している。
ツーリングを楽しむ数多くのバイクとすれ違い、追い抜かれる。 人気の観光地らしい。
30分ほど待ってもひとりが集合場所に到着しないが、残りのメンバーで、今日の宿泊場所 Windermereのホテルに向かう。
ここは、湖水地方の中心地。たくさんの観光客でにぎわっている。
まだ外は明るいので、街を散策。
遅れていたメンバーは迷子になっていたらしく、無事に到着。良かった。
どの街もそうだが、電柱や電線が目に入らない。
地下に埋設されていない場合も、電線は建物の裏側に目立たないように通っている。
このあたりの美意識も見習いたいところ。
さぁ、あしたは憧れのマン島に渡る。



