●8日目・・・6月26日


飛行機の便は夕方なので、昼過ぎまで自由時間。
大好きな街歩きの時間。
まずは、ホテル近くのパディントン駅へ。
入口脇の壁に大きな絵が何枚も飾られている。
犬連れの家族がイギリス各地を旅してまわっているシーンが描かれているが、とても可愛くてほっこりしてしまった。
行かれる方は、ぜひ見てください。



駅の構内、ホームの横に、有名なパディントンベアーの像や絵がさりげなく飾られている。
前に来た時に見かけたのだが、今回もこれを探して構内をうろうろ。
改札口がないので、自由に列車の脇まで行ったり来たり出来る。



続いて、駅の北東方向に歩いて有名なアビーロードの横断歩道へ。
途中迷ってしまい1時間以上かかってしまった。
途中で黒人のお兄ちゃんに尋ねたら親切に教えてくれた。
彼が笑いながら言ってたとおり、周囲には観光客がいっぱい。
50年も経つのに世界中から人を引き付けるなんて、ビートルズはすごい。



ホテルに戻る途中、ロンドンでもっとも美しいと言われているリージェントパークへ。
ここも2度目だが、広々とした緑の空間は、人もまばらで素晴らしい雰囲気。
町中の喧騒から離れ、車の音もなく、くつろげる。
犬がリードなしで散歩したり自由に走り回ったりしている。
私が住んでいる浅草界隈にも、こんな公園があったら、どんなにいいだろう。
上野公園も人が多すぎるし、犬を遊ばせるなんて無理。



最後に、無料公開という案内に魅かれ、貴族の館へ。
Wallace Collection。
外観やアプローチの雰囲気は、大英博物館に似てるような。
館内には、集められた武具や絵画、陶磁器などが、あふれんばかりに展示されている。
大英帝国の栄華と富の蓄積にあらためて驚かされる。
絵画の中には、レンブラントの自画像もさりげなく飾られていた。
ものすごい値がつくだろうにと、下世話なことを考えてしまった。



以上で、今回の旅は、ほぼ終了。


あれから1ヶ月半も経ってしまったが、やはりバイクの旅は、一般的な観光旅行よりもはるかに思い出が濃い。
歳も歳だし、気力体力のあるうちにと思って半ば衝動的に申し込んだが、行って良かった。


何よりも、日本とはまったく異なるイングランドの地形や風景を感じることができた。
同じ島国で、面積は日本の方がずっと広いけれど、使える土地の広さは逆だと思った。
2,000km以上も走ったが、トンネルは一度もくぐらなかったような気がする。
それだけ、高低差がなかったということだ。
日本の自然の変化の豊かさをあらためて感じた。
高速道路を作る費用と手間と技術、おそらく日本は世界一ではないだろうか。


そして、田舎町の景色の違い。
どこへ行っても、石造りの素敵な建物とセンスの良い庭が並んでいて、 無秩序な日本の街並みが情けなく思える。
でも、何日も同じような風景を見ていると、単調な気がしてくる。
新しいものに飛びつかない頑固さと、それを許さない無言の圧力のようなものもあるのかもしれない。
それに比べ、雑多ではあるけれど、日本の地方の街や村は無邪気なスッピン。
もう少し統一的な美的感覚を持ってほしいと思うが、見られることなど意識していない無防備な正直さにあふれている。
好きではないが、これもありなのかもしれないと、少しだけ思った。


それにしても、歴史や伝統を重んじる性向は、間違いなく文化的な雰囲気を醸成する。
厳然と継承されている貴族階級の存在が、保守的な安定を支えているのかもしれない。
それは一種のプライドなのか、排他的なアイデンティティなのか。
EUからの離脱問題のニュースが騒がしいが、現地ではなんの兆候も感じられなかった。


古い歴史を持つ島国という意味では似ている日本とイギリス。
でも、両者の国民性は対極にあるようで、イギリスには独特なこだわりを捨てないでほしいと思う。
前のめりのグローバリズムのスピードの方が異常なのだ。


一言でいうと、さりげなくもとことん人間くさいイギリス、住みたくはないけれど、気に入りました。
また、訪ねる機会はあるのだろうか。