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20
2016年
2016.3/31 「民泊」について
2016.12/6 支配人の仕事
2016.12/26 旅館業法の改正についての、当社の関わり方

2016年3月31日 「民泊」について

あと3ヶ月で会社設立から満22年になる。その頃の話し。
登記手続きを終えてすぐに1号店オープンに向けて、用地(借地)探し、建物の設計と建築確認申請、建設業者探しと見積もり依頼などを進めた。
並行して、宿泊営業の許可をとるための準備に着手したが、これがたいへんな作業で難航した。
長く住宅メーカーに勤務していたので建物を作ることに関しては想定内だったが、宿泊業の経験は皆無、申請先が保健所であることすら知らなかった。
担当者の方は真面目な女性で、旅館業法や関連する条例の細かい規定をひとつひとつあげて、これでは到底許可できないと譲らない。
当時の私がそうであったように、一般の人がその規制の細かさや厳しさを目にすることはない。旅館業法の施行令には、客室の広さはもちろん、フロントの位置、カウンターの高さや長さ、外部の共同用トイレについても定めがある。
そもそもアメリカのMOTELのような車で移動する人々のためのオープンで気軽な宿泊施設が想定されていない。逆に、車で乗り付けて利用するラブホテルとの表面的な類似性が足かせになって、駐車場から客室にはフロントを通らなければならず直接の行き来は認められないという。
人生のすべてを賭けた事業はすでに後戻りできない段階まで進んでおり、こちらも必死である。何ひとつやましい所はない。これからの日本に必要な施設であるという強い自負もある。法令の枝葉末節の解釈というレベルで妥協するつもりはないし、規制との食い違いはそんなことでクリアーできる範囲を超えている。
「法律が想定していない業態の施設なのだから、機械的に細かな条文との整合性だけを議論しても意味がありません。旅館業法の第1条に書かれている目的にかなった施設です。判断ができないというのなら、県の保健衛生局なり、県警本部なりの責任者を交えて議論しましょう」と訴える。
「旅籠屋さんが、ラブホテルとは違う宿泊施設を目指しているのは理解しました。でも、結果的にそうなってしまう可能性を否定できますか。ここはアメリカではなく、日本ですよ。」と担当者も譲らない。行政官としては恣意的に許認可の判断を行ってはいけないのだから当然である。
こうしたやり取りが何回繰り返されただろうか。不安で眠れない日が続いたのを覚えている。
後日談だが、数年後、2号店となる「那須店」を具体化する際に地元の保健所を訪ねたところ、あの同じ女性担当者が現れた。たまたま那須に異動していたのだ。お互い苦笑いしてしまったが、「旅籠屋さん、目指したとおり、ラブホテルではなく、色々な人たちに利用される宿になりましたね」と言われた。
彼女の不安を払拭し、ぎりぎりの決断に応えられたことが嬉しく誇らしかった。

あれから約20年、旅館業法やラブホテル抑制のための条例との戦いはほんとうに大変だったし、現在も進行中である。
そうした経験から言うと、 無許可で増えている「民泊」や、政治主導で進められている規制緩和は腹立たしくてならない。自宅の空き室を活用するのならまだしも、ワンルームマンションを借りて転用するなど目先の金儲けにかられているだけで、観光促進や地域創生などの志とは無縁のものだ。

そんな思いが抑えきれず、2月に新聞に投書した。
幸い、掲載された(電子版にも同じ内容で掲載されたので、こちらをご覧ください)が、文章はかなり変更されてしまったので、原文を以下に紹介します。
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私の視点  「民泊」の合法化  急ごしらえでなく、法令の総合的な見直しを  株式会社 旅籠屋  代表取締役 甲斐 真

 最近にわかに注目を集めている「民泊」。トラブルの増加にともない、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業である限り、旅館業法による許可を受けなければならないはずだ。これを機に関連法令を整備すべき」という議論がようやく活発になってきた。
 全国で増え続ける空き家を活用し、急増する外国人観光客などの需要に応えるべきではないかという意見がある。他方、法令を無視した「もぐり営業、フライング営業」は、看過すべきことではないという指摘がある。
 既存の宿泊業界からは、法令にしたがって許可申請を行う「正直者」が規制を受け、無視する者は黙認されるような状況は「法の下の平等」に反するという意見もある。いずれも理にかなった当然の主張である。
 当社はアメリカを中心に無数に存在するシンプルな汎用ロードサイドホテルを日本で初めて実現し、この二十年余りで全国各地に展開してきた。しかし、法律が想定していない業態であるため、さまざまな規制の壁に直面してきた。例えば、旅館業法施行令はホテルの共同用トイレに男女別の区分を求めている。客室にトイレがない古い施設を想定しての規定なのだが、車椅子で利用できる「誰でもトイレ」を自主的に設置する場合にも男女別が求められることがある。
 また、旅館業法に関連して、多くの自治体で「ラブホテル規制条例」が設けられているが、その中には「シングルルームが一定割合以上、あるいは幅1.4m以上のベッドを設ける客室が一定割合未満でなければラブホテルとみなす」というような定めがあり、許可を得るのに複雑な手続きを要することが少なくない。同様の例は他にもたくさんある。
  法律や条令は、基本的に社会の変化に対し後追いで定められるものだから、新しいビジネスの足かせになることが多い。宿泊業に関し、当社は時代遅れの不合理な規制に誰よりも悩まされてきた。だが、宿泊者に安全で衛生的な施設を提供するとともに周辺の生活環境との調和を図ることは当然のことで、その基準となる法令の必要性と意義も十分に理解している。
 「民泊」の推進に向けて、政治主導の追い風が吹いているように感じられる。しかし、「民泊の合法化」だけに焦点を当てた部分的な規制緩和がなし崩し的に進められるのは厳に慎むべきことだと考える。
 旅館業法の目的には「利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進」と記されている。すでに現実の宿泊施設は「民泊」だけでなくさまざまな形があり、改正すべき点が数多く存在する。これを機会に、許認可審査の現場である全国の保健所担当者を含め広く意見を求め、法令の包括的かつ抜本的な見直しを強く望む次第である。
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掲載後、目だった反応はないが、国土交通省の方が来社されヒアリングを受ける機会に恵まれた。20年以上続けてきて初めてのことである、ようやくである。
旅籠屋は、金儲けだけを求めて設立した会社ではない。日本になかったアメリカのMOTELのような経済的な宿泊施設を作って喜ばれたいというだけで始めた事業でもない。多種多様な個人が活用できるインフラを日本全国に誕生させることによって、ひとりひとりが自らの価値観で自主的に旅し、生きていけるような自由な社会が深まっていくことを願って続けていることである。
さらに、その過程で、不合理な規制を改め、偏見や事なかれ主義や先例重視の世の中の雰囲気が変わっていくことを心の底から願っている。
これを機に、ほんの少しでも存在価値が発揮できれば本望である。

2016年12月6日 支配人の仕事
去年の後半から兆しはあったのだが、今年に入って店舗の支配人不足が顕著になった。
コンスタントに続いていた応募がなぜか途切れがちになっていたところに、新店舗のオープン(今年は7店)と病気・介護・定年による退職者の増加が重なった。
かといって、9割以上が予約によるお客様なので、店を閉めるわけにはいかない。かわりに本社スタッフが「代行支配人」として店舗に赴くが、次第にその頻度が高くなり、ここ数ヶ月は、常に本社社員の過半が出張中という状況が続いた。全員が顔を揃える日は月に1度くらいで、重要な打ち合わせもままならない。
9月からは役員も交代で店舗に泊り込むことになり、私も2回、十数年ぶりに「支配人」を務めた。客室を掃除し、予約を受け、フロントに立ってお客様をお迎えする。20年前の1号店支配人としての3年間が思い出される。

朝食の準備を終えると、チェックアウトされた客室をまわり、窓を開けて換気し、リネンやゴミを回収し、バスタブや便器を洗い、ベッドを作り、掃除機をかける。10室を超えると午後3時のチェックイン開始時刻に追われながら数時間の作業になる。予約の電話対応やメールチェックも並行して続く。乱れた部屋が整っていく達成感はあるものの、正直言って、決して楽しい作業とは言い難い。そんな気分を久しぶりに味わった。

素泊まりの宿の日常業務は地味で単調である。おいしい料理や美しい飾りなど、お客様を驚かせる「華」がない。マイナスをゼロにする作業で、プラスを演出する喜びを感じることが少ない。
これは、ベーシックなインフラ施設を維持する仕事に共通する宿命かもしれない。電気・水道・ガス・通信、道路・鉄道・物流、滞りなく流れていて当たり前、清潔に整っていて当たり前。

立場を忘れて言うが、私は黙々と職責を果たしている支配人に敬意を抱いている。仕事なんだから当たり前、という見方もあるだろうが、義務感だけで続けられる仕事ではない。3年間、ほぼ休みなく務めた私の実感である。
社内でいつも言っていることだが、建物内外の清掃やグリーンのメンテは、目に映る姿の背後に人の心が透けて見える。店舗を訪ね、気持ちよく整えられた雰囲気に接したときに浮かんでくるのは、経営者としての満足感ではなく、人間として頭が下がる思い、嬉しくなるような共感である。
もちろん、逆の場合もある。しかし、一方的に責める気にはなれない。延々と続く日常はとても重い。鬱屈した思いが伝わってくる。閉塞感に苦しむ気持ちもわかる。
日々のストレスを軽減する配慮ができないか、少しでも改善する手立てはないかと考えるが、ひとりひとりの性格や人生観もからむので、単純な対策で解決できるわけではない。人間は機械ではない。
お客様のかけがえのない旅の時間を支えているという自覚や、たまに寄せられる感謝の声を自分自身の喜びとして、と言うのは容易だが、人生経験から得られる心の余裕やある種の達観がなければ難しいことのように思う。

「ファミリーロッジ旅籠屋」はすべて直営であり、支配人はすべて当社の正社員である。人生を共にするふたりが店舗に住み込み、文字通り力を合わせて運営業務を行っている。最初に2週間ほどの研修を受けた後、半年から1年の間、支配人が休暇の際の「代行支配人」として、全国各地の店舗を回る。この期間は移動も多く、数日おきに勤務地が変わるため、気苦労も多い。しかし、その経験が支配人になるための貴重な財産になる。これは、お互いに適性を見極める期間でもある。以上、詳しくはこちらをご覧ください
いっぽう、「代行支配人」専門の人たちも十数組いる。前の職場を定年で退職した中高年の夫婦が中心だが、最近では旅籠屋支配人の経験者も加わるようになって来た。
山あり谷ありの人生を共に歩んできた二人だからこその気負いのない雰囲気、人生の達人と呼びたいような素敵なカップルが多い。

初めて積極的な求人広告を行った効果もあり、おかげさまでたくさんのご応募をいただいた。年明けには人手不足がほぼ解消される見通しだ。
しかし、本社スタッフによる「代行勤務」は、来年も続けていく予定である。店舗の実際の状況を感じ、支配人の気持ちを理解することが、すべての基本である。
支配人たちの笑顔が消えたら、私たちの会社が存在する意味の半分はない。

2016年12月26日 旅館業法の改正についての、当社の関わり方

ニュースでも報道されていたのでご存知の方もいるかもしれないが、12月6日、内閣府の諮問機関である「規制改革推進会議」より「旅館業規制の見直しに関する意見」が政府に提出された。



この内容の多くは、当社が(財)宿泊施設活性化機構に対して提出した資料や問題提起をベースとしてまとめられている。
その提出資料は、以下のとおり。

160714民泊新法に関する提言 ・・・ 7月14日に当社より宿泊施設活性化機構へ提出
161117不合理な規制の実例 ・・・ 11月17日に当社より宿泊施設活性化機構へ提出
161125旅館業法に関連する規制の実例 ・・・ 11月25日に当社より宿泊施設活性化機構へ提出

当社は、21年前にオープンした「日光鬼怒川店」以降、常に「旅館業法」などの規制に直面してきた。
これらの法令は、当初の目的であった公衆衛生上の観点に加え、1980年代に乱立したラブホテルを抑制するための細かな規制が加えられている。
ところが、「車で移動する人たちのための郊外の素泊まりの宿」という点で、本来のMOTELと「ラブホテル」に表面的な類似性があり、結果的に抵触する部分が少なくないという問題に悩まされてきた。
法令が制定された時点では、「ファミリーロッジ旅籠屋」のような本来のMOTELが想定されていなかったため、時代遅れで不合理な部分がたくさんあるのだ。
そもそも「ラブホテル」を白眼視することがどうなのかという問題もあるが、こうした規制が日本における本来のMOTELの普及を妨げ、「ファミリーロッジ旅籠屋」出店における大きな障壁となってきた。
「このままでは許可できない」と指摘されるたびに、法令の趣旨に照らして合理性があることを主張し、規制の枝葉末節に従うのでなく、手間ひまをかけて理解を求め、道を開いてきた。
つい先日も、四国のある市役所で、「特定ホテル建築規制条例」というものが定められており、一人用客室の数が全客室の3分の1未満であったり、ラウンジの面積が50u以上でなければ「ラブホテル」とみなす、と言われた。
「専ら異性を同伴する客の宿泊又は休憩に利用させることを目的とするもの」という前提条件があるのだから、当社の施設は該当しないと主張したのだが、それを判断するのは別途開催する審議会であり、それに諮るかどうかは我々担当部署が決める、という。
これから、求められるままに資料を提出し、既存店を案内したりして、審議会の開催をお願いし続けなくてはならない。
これをクリアーしなければ建築確認の申請も受け付けられないのだから、少なくとも2〜3ヶ月の時間が余計にかかる。

我々は、こんな誤解と煩雑な手続きで悩まされているのに、いっぽうで、非合法な「民泊」が増え、政府主導で「合法化」を急ぐ動きが顕著になっている。
過剰な規制で苦しんでいる状況が続いているなか、もぐりで横行する「空き室活用のためだけの金儲け」がなし崩し的に規制緩和されるのはおかしい。これを機に、既存の法令も抜本的に改正すべきではないか、このような問題意識から、今年2月に新聞に投稿を行った。
その内容については3月31日の「旅籠屋日記」に転記したので、ご覧ください。
その後、この投稿を機に、(財)宿泊施設活性化機構から、「民泊の合法化に関し、政府に対して既存法令の問題点について政策提言を行いたい。ついては、具体的なご意見を」との連絡があり、3回にわたって来社され、資料を提出し、提案を行ったいう次第である。

当社は、単に格安な宿泊施設を作って新しいビジネスを始めよう、という目的でスタートしたのではない。
このようなスタイルの宿泊施設を車社会のインフラとして整備することによって自由な旅やライフスタイルを守り育てていきたいという願いと使命感を持って歩んできた。
加えて、その過程で直面する不合理には、目を背けたり逃げたりせず風穴を開けようという姿勢を大切にしてきた。
今回のことも、そういう考えの中で力を尽くしてきたことである。

来年1月から始まる通常国会で審議されるようだが、我々の経験や提案が反映されることを心から願っている。

 

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「旅籠屋主人のベンチャー日記」 (雑誌「戦略経営者」連載)はこちら

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