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「旅籠屋日記」は、会社の公式見解ではなく、当社の創業者で代表取締役を務めている
甲斐 真の日々の思いをつづった 個人的な日記あるいは随想です。
したがって、書き込みの内容についての責任は会社ではなく、個人に帰します。
ただし、その信条や個性が「旅籠屋」という事業を生み出し牽引する、
重要かつ不可欠な要素であると考え、
あえて「旅籠屋日記」という名称を用い、 「旅籠屋」のサイト内に置いています。
「旅籠屋」という会社やその事業が、
広く社会の中でどのような存在になることを目指しているのか、
その理念とコンセプト、背景にある感性の源泉を汲み取っていただければ幸いです。

2019年7月19日 イギリス、バイクツーリング 3日目

●3日目・・・6月23日

じつは、 バイクツーリングの初日、ガソリンスタンドの近くで、さっそく立ちコケしてしまった。
走っている時は何の問題もないのだが、停止して足を着こうとした時につま先立ちになってしまい、バランスを崩して車重を支えきれなくなってしまう。
後ろのシートにカミさんを乗せていたので、怖い思いをさせてしまった。
身長の低さを嘆きたくなるが、スムースな減速と停止やシートから降りての取り回しの下手さ加減は私のせいだ。情けない。
結局、きょうから彼女は添乗する4輪の伴走車に同乗させてもらうことにした。申し訳ない。



今日は、前半は高速道路を北上し、後半は一般道路を走って、イングランド北部の景勝地「湖水地方」を巡る。
ロンドンの環状高速を離れてからリーズという町までは、ずっとM1という高速道路。
1号という名前が付いているので、日本の東名高速のような最大の幹線道路なのだろう。
通行量が多いが、 片側3〜4車線と広く、走りやすい。制限速度は70マイル=112km。ほとんどの車は100〜130kmで淡々と走っている感じ。
割り込みやあおり運転はなく、マナーは良い。1/4〜1/3は日本車、嬉しい。
おもしろいのは市街地が近くなって渋滞が発生するようなエリアになると、時間と区間を限定して路肩の走行を認めていること。
日本でも、渋滞時に限って2輪の路肩走行を認めるようにしようというアイデアがあるが、ぜひ実現してほしい。
最初に立ち寄ったSAには、もちろん宿泊施設。



走りやすいが単調な高速道路を降りて、ようやく一般道路に入る。
すぐに、SETTLEという町の小さな鉄道の駅に立ち寄る。
あまりの美しさ、かわいらしさに感動してしまった。
飾られている草花を含め、心を込めて大切にしていることが伝わってくる。


 

ご承知の通り、イギリスは鉄道発祥の地。車に押されて衰退しているのは日本と同じだろうが、鉄道マニアがボランティアで走らせている路線も多いらしい。
鉄道が、輸送という機能だけでなく文化として受け継がれ、大切にされ、定着している。
このあたりに、イギリスの文化的な深さや成熟した味を感じる。
日本では、経済的合理性だけで、線路や道や建物が捨てられていくことが多い。
やりきれない。うらやましい。あこがれてしまう。見習いたい。



田舎道を走り、いくつもの小さな町や村を過ぎると次第に家が少なくなり、荒涼とした風景がひろがってくる。
ヨークシャーデイルと呼ばれる地域だそうだ。
ここまで500km以上イングランドを南北に縦断してきたわけだが、島国とはいえ、日本とは景色が大きく異なる。
高い山がなく、見渡す限りなだらかな丘が続く。部分的に残る林を除くと牧草地。そこでは羊や牛や馬がのんびり草を食んでいる。
水田がないため、ゆるやかな斜面ばかりだ。




ヨークシャーデイルを過ぎると、湖水地方。
この辺りは明らかに氷河が作り出した地形に違いない。谷間には細長い湖が点在している。
ツーリングを楽しむ数多くのバイクとすれ違い、追い抜かれる。 人気の観光地らしい。
30分ほど待ってもひとりが集合場所に到着しないが、残りのメンバーで、今日の宿泊場所 Windermereのホテルに向かう。



ここは、湖水地方の中心地。たくさんの観光客でにぎわっている。
まだ外は明るいので、街を散策。
送れていたメンバーは迷子になっていたらしく、無事に到着。良かった。




どの街もそうだが、電柱や電線が目に入らない。
地下に埋設されていない場合も、電線は建物の裏側に目立たないように通っている。
このあたりの美意識も見習いたいところ。
さぁ、あしたは憧れのマン島に渡る。

2019年7月18日 イギリス、バイクツーリング 1〜2日目

「木更津港店」や「大阪枚方店」のオープン準備、決算手続きなどに追われている時期だが、半年以上前に予約したこともあり、6月下旬、10日近くも休みをとり、強引にイギリスに行ってきた。「イングランド北部 湖水地方とマン島 9日間」というバイクツーリングである。

海外でのバイクツーリングは2度目。前回は、ちょうど3年前の6月中旬に行った「アメリカ大西部周遊とルート66 8日間」。
40年以上バイクに乗り続けているし何とかなるだろうと甘く考えて申し込んだのだが、ハーレーに乗るのは初めてで、乗車姿勢も操作方法も違うし、何より車重が400kgもあり、初日から立ちコケしてしまった。恐怖心さえ感じてしまい、グループから離れ、出発地のラスベガスでみんなが帰ってくるのを待つことにしようかと本気で考えたくらいなのだが、なんとか気を取り直し一日一日必死で旅を続け、1,700kmの行程を走りきることができた。

毎日40℃を超える気候で、後ろに乗るカミさんも大変だったと思うが、ギラギラ照り付ける太陽を感じ、乾いた風を受けながら雄大な風景に包まれる感覚は、観光バスツアーではけっして味わえないもの。何より、自分でアクセルを開け続けない限り進んでいかないのだから、能動的な意志を問われる旅であり、バイクツーリングならではの深みを生む。苦楽を共にする仲間とも、運命共同体のような心のつながりが生まれ、忘れられない色濃い思い出となった。

今回のイギリスツーリングも、3年前の記憶が後押しして決めたこと。気力体力があるうちにと思って決断した。ロンドンには過去2回行ったことがあるが、映画などで見るイギリスの田舎の風景を体感してみたいと思った。昔から関心のあったマン島TTレースの舞台を訪ねられるというのも魅力だった。

ところが、出発の40日前の5月11日、ひさしぶりにぎっくり腰になってしまい、無理に山歩きをして悪化させてしまったこともあり、完治しないまま当日を迎えることになった。 何とかなるだろう。

以下、私なりに感じたことを中心に、旅のあれこれをまとめてみるので、よろしかったらお付き合いください。
全体の行程は、以下の通り。7泊9日の旅である。


●1日目・・・6月21日

早朝に成田空港に集合。添乗員を含め、総勢9名。バイクは6台。自分が最年長に違いないと想像していたが、なんと70歳以上が3人もいる。
まわりから見ると老人ツアーである。

飛行機は大韓航空なので、ソウル郊外の仁川空港で乗り継いでロンドンに向かう。
この空港は、東アジア有数のハブ空港らしく、さすがに規模が大きく、施設も立派。
空港内では、昔の武人のような装束の人たちが剣舞などを演じて回っている。なかなか見ごたえがあり、しばらく見入ってしまった。
国の表玄関で自国の歴史や文化を紹介するこうした試みはアリだと感じた。余裕があれば、日本でも、全国の空港でデモンストレーションをやってみれば良いのに、と思った。そういえば、ハワイに行くと、フラダンスで迎えてくれる。
日本人は積極的にアピールすることが苦手なのか、必要ないと思っているのか、こんな所で負けていると感じた。



仁川空港からロンドンのヒースロー空港までは11時間以上。
入国審査に時間をとられると心配していたが、最近自動化されたようで、申請書類もなく、機械にパスポートをかざして写真を撮られて終わり。
列に並んでいた時間を含め、15分程度で完了した。
ところが、そのあと、迎えの車が遅れ、宿に到着したのは午後9時近く。
ロンドン郊外にあるもうひとつの空港、Gatwick空港そばの小さなホテル、ちょうど夏至の頃なので、この時間でも外は明るい。



●2日目・・・6月22日

時差の関係で早朝に目覚めたら、快晴の青空。
先週は雨が続いていたので案じていたが、晴れると湿度も低く、空気がさわやか。
下の写真はホテル前の街並み。緑が多く、鳥たちが飛び交い、あちこちからさえずりが聞こえる。街は静かでいい感じ。
そうか、今日は土曜日なんだ。



タクシーに分乗して30分以上走り、レンタルバイクのお店に到着。
トライアンフ2台、BMW2台、モトグッチ1台、私は手前に写っているホンダCBF600。
もっともシート高が低いことを期待しての選択だったが、またがってみるとつま先立ちに近い。4気筒で重量があり、これが悲劇を繰り返すことになる。



なんとか走り出して、しばらくは伴走する4輪に続いて田舎道を走る。
左側通行なので走りやすいが、日本のような信号のある交差点が少なく、ほとんどがRoundaboutと呼ばれるロータリー。
さっそく高速道路に乗るロータリーで車列が分断され、最後尾を走っていた私ともう1台は、先行する人たちを見失ってしまった。
M24というロンドン環状高速を西へ向かうはずが、どうも逆の東に走っているらしい。
路側帯に停車して添乗員に電話したところ、次の集合場所であるSAで待っているから、どこかでUターンしてきてくれとのこと。



ここで説明しておかなければならないのだが、イギリスの高速道路は大部分が無料。アメリカと同じだ。知らなかった。
ただ、アメリカの高速は、市街地を離れると信号はないものの一般道路とあまり区別がつかない感じで、気軽に出入りすることができるが、イギリスの場合は日本と同じく閉鎖された空間になっており、インターで一般幹線道路に乗り換えるジャンクションがあるだけで、いわゆる出口というものが見当たらない。
この違い、うまく伝わるだろうか。
日本のように出口を見つけて外に出て入り直せば逆方向に走れると思ったが、それが出来ず延々と逆方向に走り続けてしまった。
ようやく状況を理解し、ジャンクションから一般道路に出て、ロータリーを使って逆向きに拘束に入り直すのに30分以上かかってしまった。
上のマップの点線が無駄に往復した部分だ。
というわけで、集合場所のSAに着いたら、みんなは待ちきれずに出発した後。交代でトイレを済ませ、ちょっとだけ施設を覗いてみた。



ここでまたアメリカとの違い。
同じ無料でも、アメリカの高速には、トイレやベンチだけ設けてあるRest Areaはあるが、日本のような飲食物販やガソリンスタンドがそろっているService Areaに該当する施設にお目にかかったことはない。私の知る限りの話なので、まったくないとは断言できないが、あったとしてもごく一部だけなのではないかと思う。
要するに、食事をとったり、買い物をしたり、給油したければ、気軽に高速を出て、一般道路脇の施設を利用すれば事足りるという感じだ。宿泊施設も同様、 MOTELは無数にある。

ところが、イギリスの高速は厳格に閉じているので、日本と同じような施設がある。サービスエリアという名前ではなく、Serviceseという名前で道路脇に表示が出ている。
上の写真は最初に立ち寄ったCobihamというSAの施設内の写真。日本とよく似ている。しかし、決定的に違うのは、必ず宿泊施設があること。
今回の旅行中、数か所のSAに立ち寄ったが、例外なくMOTELかHOTELがあった。
下は、最初にCobihamというSA内にあったDays Inn。アメリカ中にある有名なMOTELチェーンだ。パンフレットを見たら、イギリスだけでなんと600軒以上もある。



イギリスの高速道路はMotoe Wayと呼ばれ、M1とかM25のように番号が付いている。一般道路はAという記号と数字が付いている。
ちなみに、 日本やアメリカの場合、高速道路関連の表示は緑色に統一されているが、イギリスでは白地の看板で他との区別がつきにくく、慣れないと見過ごしてしまいがち。ロータリーの標識もそうだが、アルファベットだけで書かれている内容を一瞬で読み取るのは難しい。
漢字を使う日本のありがたみを痛感する。
下は、バイクのレースで有名なドニントンパークに隣接するSAにあったTravelodge。これもアメリカ中にある有名なMOTELだ。
途中、シルバーストーンやミルトンキーンズなどの地名標識が目に入る。イングランドはモータースポーツファンにはワクワクするような場所なのだ。



そんなこんなで300km以上を走り、夕方6時頃に今日の宿泊地、ノッティンガムに到着。
歴史のある街のようで、お城を中心に赤レンガの建物が連なる落ち着いた品の良い雰囲気。



早めに着いたので、街中を散歩し、イングランドで一番古い(1189年開業、元はInn)というパブで夕食。
店の名前がすごい。「エルサレムへの道」。十字軍の宿だったのか?
みんなは地ビール、飲食に興味のない私はコーラにフィッシュ&チップス。
意外においしかった。



2019年6月20日 「キャッシュレス化」について
また、半年も空いてしまった。あと10日で決算日、今期も終わりだ。

ところで、先日5月18日の朝日新聞に以下のような拙文が掲載された。



3年前、「民泊」についての意見が掲載されたことがあり、その後、「旅館業法」の改正に当社からの要望が反映される成果につなかった。
しかし、今回は何の反応もない。
「キャッシュレス化」の狙いのひとつは、地下経済の資金洗浄や脱税の防止にあるようだが、この点はあまり語られない。メディアもほとんど伝えない。
お金の使い方というプライバシー情報のかたまりが可視化されることへの気味悪さも問題視されることは少ない。
「自分は、人に知られて困ることはない。神経質になっているのはやましいことがある人でしょ?」なんて無邪気に構えている人ばかりなのか。
最初の原稿では、そんなことにも触れていたが、スペースの関係で削られてしまった。
みんな、なんとなく流されるだけで、ほんとにいいんですか?
 
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